森林環境税に異議あり        

      森林を破壊した林業を「森づくり」と呼ぶのは、もう、やめよう。
                自然生態系を守る森林と木材生産のための林業を分けて考えましょう。

        
2005年8月2日 記

◆森づくりに必要なものは、さまざまな木々と野生生物の生活を許す「土地」のみです。
◆林業と森は、全く別物です。
木材生産を目的として、自然破壊を行ってきた林業を、森づくりというには、無理があります。
林業は、今のままでは、地球環境を守る森にはなれません。

理由は

1、多種多様ではない。(木材生産を目的に、スギやヒノキのみを育林。)
2、挿し木である。(挿し木は、実生と違って根がはらないので、土砂崩れしやすい。)
3、野生生物を殺している。(新芽を食べるといって、毎年、多くのシカを殺しています。)

木材生産の山 写真は、木材生産のためのスギ植林地です。
クリックすると大きくなります。

自然林を伐採したのちに挿し木スギの苗を密植し
間伐しながら、木材生産を行っています。

熊本県をはじめ、九州では、
国有林も含め、杉ヒノキの木材生産林が山の多くを占めています。
木材過剰生産と、林業従事者不足のために、その多くが間伐されずに、真っ暗なスギ林となり、草も生えず、土壌が流出、土砂崩れの大きな原因となっています。

上と左写真は、
挿し木スギの植林地



右写真は、実生の雑木山

違いは、一目瞭然です。
自然森林

地球環境を守る山 写真は、エコ学習公園の森。

右写真は、
ヤブムラサキの実。

雑木山伐採あとに、
自然復元した木です。
ヤブムラサキ

◆林業は、平地の道便のよいところで行えば(畑と同じ)
自然破壊をすることなく、安上がりで、安全で、効率的に、大量のよい木材が収穫できます。
21世紀の林業は、限りなく自然破壊しないあり方を追求するべきではないでしょうか。

林業は森づくりではないので、高い山や急斜面で行う必要はないでしょう。
                                    
森林再生へ

●2005年7月31日  記

   天然林も回復しない場所に人間が木を植えても、木は育ちません。
   税金の無駄遣いです。


7月28日、熊本県知事は、「県内の植栽」放棄地が2003年3月末で621ヘクタールに上ると説明。
うち153ヘクタールは、所有者による植栽を見込めず、天然林として回復しにくい「
非更新林」であると明らかにした。
153ヘクタールのうち、80ヘクタールは防災対策などの緊急性が高いと判断。
本年度導入すた県の新税「水とみどりの森づくり税」を充て、森林回復の作業を進めるとした。
5年間で9千万円を投じ、広葉樹の苗木を植える。」
と、新聞で報じられました。

しかし、天然林も回復しないところに、人間が木を植えても育ちません。
自然は、人間が育てられないような場所でも、木を育てることが出来ます。
太古の昔から、自然は森林を育てているのです。

自然回復する森は、根が深く入っているので、雨が降らなくても成長しますが、
人間が植えた木は、雨が降らなければ、直ぐに枯れてしまいます。

●2005年7月15日  記

◆森は大雨から人間を守ってくれます。本当の森ならば。

急斜面の挿し木のスギ山は大雨で崩れやすくなっています。


◆洪水や土砂崩れは、天災でしょうか。いいえ、人災です。
◆山間部における洪水は、流木が小さな川の小さな橋に沢山引っかかり、水をせき止めることで川が氾濫する事が多いものですが、倒木となるものはスギの木が殆どです。
昭和28年の熊本大水害も、流木が橋にたくさん引っかかって、熊本市内中に水があふれ、多くの死者を出しました。

◆今回の大雨は、昭和28年と同じようだった、と言われていますが、裸の山だった戦後昭和28年と、それから50年が経った今が同じということは、スギ山が森の役割を果たさなかったという証明でしょう。スギ山には、雨水を地下に浸透させる力が不足しています。落葉が積んでいる山が雨水を蓄えてくれます。そんな森が大切です。森の中を見て下さい。

◆洪水予防のためには、山の木が倒れないようにすることが最も大切です。
倒れない木は、実生の木です。挿し木のスギは、年数が経てば経つほど、つまり大木ほど大雨や台風で倒れやすくなるので、「戦後に植えられた挿し木のスギは、大雨に弱い。」ということを肝に銘じておくことが大事です。
◆杉山のふもとに住んでいる方々は、避難しましょう。

自然森林 ◆2005年7月10日、大分県では、急斜面の杉山が崩れ、下に有った民家1軒がのみこまれました。
高齢者が犠牲に。


7月9日から降りだした大雨で、10日朝から、熊本県でも阿蘇郡小国、南小国で床上、床下浸水、橋や道路が流され、車やウシが流される被害が発生しています。通行止めも数十カ所以上。
< 7月8日 エコ学習公園前の田んぼ用水池>

◆自然が豊か、森林が豊か、といわれる熊本県や大分県で、すぐに、土砂が崩れたり、洪水になるのを、
誰も、不思議に思わないのでしょうか。
崩れないのが森です。

◆森づくりにお金は要らない。

◆森は、土砂崩れを防ぐために有ります。地球は自分を守るために、森をつくり、草を生やしています。熊本県の土砂崩れは、森林が足りないことをものがたっています。

◆杉山は森林の機能を、果たしていないのです。
杉山は、1、光合成をする。 2、緑色である。  3、木材になる。という機能はありますが、4、土砂崩れ防止。5、水資源涵養 6、生物多様性の保全 7、自然生態系保護。などの機能がありません。
行政などが、いくら「林業を森づくり」といっても、「林業は、森にはなれない」のです。 


●2005年 7月3日記


熊本県では、2005年6月5日(日)、各新聞に
「水とみどりの財産」を次の世代のために。
と題して、広告を出しました。
平成17年4月1日より「水とみどりの森づくり税」が導入されたことに伴い、県民の理解と協力を仰ぐものとなっています。
広告には、
◆「水と緑の森づくり税」の目的は、何ですか?
答え

森林には、水を蓄えたり、土砂崩れを防いだり、二酸化炭素を吸収したりする「公益的機能」があります。
しかし、
近年、林業経営における採算性の悪化や農産村の過疎化などから、手入れが十分に行われない森林が増え、公的機能の低下が心配されています。
そこで、従来の取り組みに加え、新たにこの税をを活用し、森林の公益機能の維持・増進を図ります。
と、書いてあります。はっきりと林業に使うものである事を謳っています。

森林の話が急に林業にすり変わっている
のがおかしい
のに、それが世の中で通用するのが悲しいです。
国民の殆どが、森林と林業の違いが分からなくなっているのです。本当の森林について、みんなが知らないのです。知っていれば、誰も、黙っていません。ここまで、皆が森林について分からなくなってしまったのは、殆どの人たちが、本物の森林を知らないで育ってしまったのです。もし、知っていて、みんなが黙っているとしたら、それは、なぜなのでしょうか。
自然森林
もともとあった森林を税金を遣って伐採し、
税金を使って杉やヒノキの挿し木苗を植えつけてきたのが日本の林業です。
数十年間にわたって税金で森林を大規模に破壊し、税金を使って林業を推進してきて、これが失敗したからといって、新たに税金を取って、林業を再生しよう、ということが間違っています。

林業を森林とごまかすやり方もいただけません。
<上の写真は自然森林。木を植えないで、自然に育ったものです。>
行政は、戦後の森林政策・林業政策をまず、国民に謝罪しなければならないのです。
森林を破壊したのは、行政そのものであり、その付けをまた、国民に、税金という形で負担させるやり方は間違っています。
本当の森林を知らないで育った子供たちに、「林業が森林」と教える事だけはやめて欲しいと思います。

                                             2005年2月18日 記

これが大事。
林業は現在の日本において、どのくらい必要でしょうか。

林業は、山で行われているために、”自然のイメージ”が強くなっていますが、実質は、経営ですから、一番大切なことは、需要です。
需要がないのに、やみくもに生産をしてきたのがこれまでの林業です。林業も経営である以上は、企業としての自覚が最も大切でしょう。

日本の林業が長年置き去りにしてきたものは、企業としての経営感覚です。

たとえば、今引っ張りだこの「速水林業」。
速水林業は、理想的な林業経営をおこなっていると思われますが、(まだ、見学していないので、すみません。)
行政は、このように生産と消費のバランスを重視した立派な企業家に林業を任せて、今後は、林業から撤退するべきです。
速水林業は、経営を成り立たせながら、生物多様性も重視した林業(エコシステムが推奨するエコ林業)を早くから行っています。
今後は、行政が林業から撤退することで、日本の森林環境が良くなり、壊れた生物多様性が回復します。                                      


2004年12月28日記まえおき

森林環境税は、全国的な取り組みですが、熊本県の「森林環境税」は、熊本県林務水産部・総務部の案となっています。
H16年12月7日作成で「水とみどりの森づくり税について」資料が林政課にあります。
国有林は、林野庁が主管ですが、国有林以外を、県などが民有林の整備・指導を行っています。

林というと、自然というイメージがありますが、国の「森林法」は、戦後の住宅復興のために、木材生産を目的として、スギ・ヒノキを植林したものであり、それが、行政の森林整備事業です。
中身は林業そのものです。

平成13年に見直し・改正が行われていますが、木材生産を目的としたつくられた「森林法」なので、とても、判りにくくなっています。植えてしまったものは、仕方がないので、「森林法」という名称を「林業再生法」として根本から、
作り直すべきです。

森林の機能を持たないものに、森林という名称を付けて、法律まで作ったことが日本の自然環境をめちゃくちゃにした大きな原因です。
このまま、今後も進んでいくのでは、日本の環境は、いつまでも、良くなりません。 

「森林法」がもたらした弊害は、

◎日本の四季が各地で失われたこと 
◎土砂崩れが増えたことで、河川の氾濫・尊い人命の損失・財産の損失
◎多くの野生動植物が絶滅に追い込まれたこと
◎その上に、「有害鳥獣駆除」で大型の野生生物が、法律によって堂々と殺されてしまうこと
◎花粉症が日本中に蔓延した

イノシシのこども 森林法は、日本の自然環境に多大な損失をもたらしたものなので、
この名前を使って、いかにも、「日本の森林環境を守る」というようなイメージを与える、「森林環境税」には、納得出来ません。
熊本県の「森林環境税」の中身は、行政の林業政策の失敗の付けを、県民に押し付けるものとなっています。


名称も、「林業再生税」や「「林業活性化税」などと
、はっきり、 林業のイメージがわくもの にして欲しいと思います。

だからといって、この税金が正当とは思えません。これ以上の税金の無駄遣いはやめて欲しいと思います。
日本の自然環境が少しもよくならないのは、
1、行政が一番悪いのは、間違いありませんが、 行政は素人集団ですから、行政を指導している学者先生たちが最も責任重大。
2、大きな自然保護団体が行政に正しい提言を出来ない。

生物多様性保全や自然生態系保全について
                     考慮されてこなかった林業


自然森林は、地球環境を守るために存在していますが、林業は、実生(種から成長した木)の自然森林を全伐して、木材生産のために、スギやヒノキの挿し木苗を伐採後地に植え付けて、材木を育成するものです。
より多くの木材生産のために、挿し木苗を密植して育林を行います。
そこでは、生物多様性保全・自然生態系保全・水資源涵養・土砂崩れ防止等、森の役割について、
まったく考えられてきませんでした。

実生の自然森林と、挿し木で出来た木材生産のための林業は、対極にあると言っても、過言ではありません。

雑木山 雑木山 雑木山の紅葉
<エコ学習公園の実生の森 ・自然復元林  雑木山全伐後8年の林
       
<上の写真は、エコ学習公園>
                                              自然森林へ

◆木材生産者に直接お金がいかない間伐助成金
しかし、あまりに多く、全国的にスギ・ヒノキの生産地を広げてしまい、人工林の弊害について、多くの批判を浴びるようになったので、国を挙げて、間伐促進事業が展開されるようになりました。

しかし、せっかく国から出る間伐助成金は、森林組合など多くの中間団体に流れ、木材生産林の所有者にお金がいきわたらないシステムになっているのです。
間伐促進計画は、うまくいきませんでした。

雑木山 そればかりではなく、効率の悪い山での
作業は費用対効果が悪く、木材が高くなって、売れなくなくなりました。
木材が売れない上、間伐助成金をもらってもお金が残らないので、どんなに間伐したくても、山主は、間伐できないのです。
これが現実です。
全国的に供給過剰になってしまった木材生産には、なかなか夢がもてません。
お金をかけて育てても、将来お金に出来る見込みはないからです。
<上の写真は、自然の森の中>
それで、木材生産林は放置され、「林業」は衰退の一途をたどっているのです。
 
今のままでは、どれだけ、「森林環境税」という名前をつけて、お金を集めても、
今までのようなお金の使い方をするならば、木材生産林の環境はよくはならないでしょう。
熊本県における木材生産林の荒廃は激しく、大雨や台風のたびに土砂崩れを起こし、今後も、大きな災害の原因となるでしょう。

雑木山
  <上の写真は、自然の森の中。>
林務関係者は、
有害鳥獣駆除や狩猟関係の仕事で年間を通して忙しいということですが、木材生産林を早く森林に戻してやれば、イノシシや野鳥も人里に下りてこなくなりますから、有害鳥獣も減ります。
駆除作業も必要なくなりますから、
急ぐべきは、木材生産林の自然森林化です。(エコ林業)
                                       

                                           
エコ林業へリンク
このつくり方は簡単です。
間伐すれば、すぐに、実生の雑木が育ちますから、これをきらずに積極的に育ててください。

木材生産林 エコ林業
 <左写真。間伐前のヒノキ木材生産林。
  太陽の光が土地に届かず、
  野草が生えないので、虫も少ない。
  野鳥のえさとなる木の実もないので、
  野鳥も来ない。>
  <右写真。間伐したヒノキ木材生産林。
   太陽の光が土地に届くので、
   野草が育ち、虫もやってくる。
   雑木を育てると、野鳥もたくさん
   やってくる。>

これまでは、木材の数が減るからと、雑木を育てることは許されないこともありましたが、そのことが、土砂崩れの原因をつくり、イノシシや野鳥が里に下りて作物を荒らす原因になったのです。
お役所の皆さんは、本末転倒のことをこれまでおこなってこられました。

◆イノシシや野鳥が里に下りてこないように。


平野とイノシシのこども イノシシも野鳥も、山に木の実などのえさが豊富であれば、里に降りてはこないのです。エコ学習公園では、シイタケがイノシシに荒らされたことは、ありません。
農林業被害をなくすためには、木材生産林の自然森林化以外には、ありません。
一番の早道でもあります。これから、木を植えて育てるよりもお勧めの方法です。
県職員の皆さんはみんな頭がいいはずですから、もう少し、勉強して、賢くなってください。
自然森林と林業を同一にして、森林環境税などをとることは、やめてください。
<上の写真は、イノシシのこどもと平野。
イノシシは、人間を見分けています。>

<右写真は、エコ学習公園ないのシイタケ栽培地>
エコ学習公園のシイタケ
エコシステムホームへ

◎森林環境税は、実生の森を守り、
            広げるために、使いましょう。


 熊本県の説明では、林業活性化税(木材生産林間伐促進税)ということになります。
実際、林業家の方は、そういう風に受けとめておられるようです。

 林業活性化が本音であれば、「森林環境税」などとごまかさないでほしいと思います。
 林業活性化税では、県民の理解が得られないと考えて、「水とみどりの森づくり税」にされるのでしょうか。
実生の木のこども もともと、熊本県では、林業のことを「森づくり」と、 子供たちに教育されています。
そのせいか、学校の先生までが、林業のことを森づくり、と信じておられます。 
林業は、自然森林伐採して、木材生産のために、スギやヒノキの挿し木苗を植えつけた木材生産を目的として行われる
換金のための経済林です。 
昔、営林署と言っていたように、林を営んでいるのです。
 <上の写真は、雑木山でひっそりと
出番を待っている実生の木の子供たち。>
 地球環境のことなど、まったく考える余裕のなかった時代、考える必要のなかった時代に始められたものです。昭和40年代、杉山崩壊がニュースになり、公害や環境問題が浮上してきた時に、スギの挿し木苗植林は、やめるべきでした。
しかし、国は反省もなく、現在も山に挿し木苗を植えつけることをやめていません。

                                              
エコシステムホームへ

地球環境を守る 地球環境を守る
地球環境を守る 地球環境を守る

上の写真は、エコ学習公園内。 雑木山の冬と紅葉。落葉樹の葉っぱが落ちて、明るくなった林内たくさんの野鳥たちが、木についている虫を食べにやってきます。
野鳥たちが、木の実を撒き、虫を食べて、自然森林を守っています。
人間がいなくても、森は野鳥や動物たちによって、育てられ、守られているのです。

                                    
山崩れ防止研究所へ                                                        エコシステムホームへ